日本はやり直しができない社会と言うけども
日本はやり直しができない社会と言われてる。
確かに社会的に上昇するチャンスがなく、絶望を感じている人間はそこら中にいる。
でもやり直しができないというのはどういうことなんだろう。
やり直しの定義
そもそも何を持ってのやり直しなんだろう。
この言葉は結構曖昧だ。
挫折、病気などによって躓いた人間が再起できるかどうかだろうけど、本当に再起できないのか。
生活することはできる
一度躓いたら人生終わりという人もいるけど、幸か不幸かそう簡単に人生は終わってくれないし、詰みもしない。
例え中卒で職歴なしの30代、40代というような状況であっても、就職して生活していく道はある。
そもそも全部正直に話す必要もないと思う。
例えば、中卒であることに後ろめたさを感じるなら、高卒と偽るぐらいの図々しさはあってもいい。
嘘をつくのは基本駄目だけど、自分の生存がかかっているんだったらそれはしょうがない。
介護士、タクシー、工場、清掃、ビルメン、学歴やスキルがなくても就ける仕事はいろいろある。
もっといえば、年を取ってからでも看護師のように専門学校なり技術を身につければ就ける仕事もある。
やっていけるかどうかはもちろん別問題だけど、正社員になるのもそんなに難しいわけじゃない。
つまり、いろんな事情で底辺になっても生きていくことはできる。
困窮すれば、生活保護も受けられる。
条件にあてはまり、支援団体などに頼めば申請の協力をしてくれるし、実際30代の住所なしでも、生活保護を取得して就職した人を知っている。
ということは、世間一般でいうやり直しとは就職ができるという意味じゃない。
皆就職できるという事実は知っているけど、上に挙げたような仕事はやりたくないんだよね。
やりたい仕事、興味のある仕事はある。
あるいは、入りたい会社、望む待遇がある。
でも、年齢のせいでそれは叶わない。
要するに、年齢に依らず、新しいキャリアパスが描けるかどうか。
これがやり直しの定義だ。
確かにそういう意味ではやり直しは効かない。
日本は新卒至上主義で、ホワイト企業に入るためには大学在学時の就職活動を頑張るしか殆ど道はない。
また、以前IT系の転職エージェントの人から直接聞いた話では、全く未経験で新人を採用する場合は26歳が一つの線引きになると言われた。
自分の場合もやり直しはきかない。
今から外資系金融に入って稼ぎまくるのは不可能。
小説を読んで官僚に憧れてもなれない。
正直、今更頑張った所でもう先が見えてしまうので、出世競争やキャリアアップなどのゲームをする気にはなれない。
サラリーマンの場合、新卒時の就職で大体の枠が決まってしまう現状は確かにある。
年齢差別は日本だけなのか
一応、他の先進国は年齢差別が禁止されている。
でも、それは本当に年齢に依らず新しいキャリアが描けることを意味するのか?
年齢差別がないってことは逆に言うと若さに対して免罪符が与えられないということ。
だから海外の人はインターンなどで実績を積んで、新卒でもスキルを明確にアピールしなければならない。
そんな環境の中で、年だけとってスキルを積んでいない人間が戦っていけるのか。
当たり前だけどどこの国だって、同じスキルなら若い人間のほうが好ましいとされる。
特にIT業界は若い人間を好む。
実際アメリカでも年齢差別をされたことで裁判が起こっている。
以前、苫米地英人が外資系金融に就職したいなら25歳までにアメリカの名門大学院を出ろと言っていたけど、やっぱりそういうことだ。
また、ロサンゼルスに滞在していた時に30歳過ぎてあっちの大学を卒業した人がいたけど、事情は同じで30過ぎて大学行ってもろくな仕事がないそう。
海外に新天地を求めて行く人は多いけど、ある国で上手くいかない人間はやはり外国に行っても上手くやってくのは厳しい。
日本でキャリアを積んでないのに海外に行ってもほとんどコールセンターかアルバイトのような仕事しかないのが現状。
結局世界の事情はそんなに変わらない。
そもそも本当に年齢に関係なくキャリアを新しく描けるんだったら社会の底辺で燻ってる人間は少ないはず。
社会的に上昇する道が開かれているなら、投げやりになって犯罪やドラッグに走ることもない。
日本よりも大きな格差や、階層の流動性の低さを考えれば海外だってやり直しができない社会といえる。
相手に採用されるという前提がある以上は、年齢差を克服してやり直しをすることはできない。
年齢がある程度行ってしまったら、自分で何かを始める以外にやり直す方法はないと思う。
だったら、開き直って何でもやってみることが転げ落ちてしまった人生を味わう最大の楽しみ方だ。